「ヘンなもの」を放り込む場所の必要性。

http://d.hatena.ne.jp/n_kakka/20040710#1089448190
http://d.hatena.ne.jp/yos_piyo/20040710#p1

「ヘンなもの」(過度に一般的なキーワード)は

そして、

という対処法が提唱されているようですが、個人的にはこれは望ましくない風潮だと感じています。

ただ、カテゴリの再編成によりいらぬ争いが減る、という方向性自体は間違っていないものと思います。たとえば、

  • 芸能
  • 形容詞・形容動詞・動詞

などのカテゴリが新設されれば、そうしたものに興味のない人たちはカテゴリのリンクをきることにより、静かな生活が送れることでしょう。

さらにいえば、

  • 「一般」カテゴリをオフにできる(無料でも)

ということになれば、ベストなのでしょうが、近藤さんの思想からすると、これは望むべくもないことです(追記:このへんの事情については、追記を参照のこと)。

で 一番キモイのは 喜ん とかのキーワードだな

何がキモイって論議がキモイ

しかも一般キーワードってのがタチ悪い

(略)

キーワードを辿って日記を探したいという理由でキモイキーワード登録するなら

はてなダイアリークラブに全部放り込んでおけ と思う

これは対処の方法として2重の意味で間違っていると思います。

まず、(自動リンクはいやだが)「キーワードを辿って日記を探したいという理由でキモイキーワード登録する」のを認める、すなわち、キーワードの側からリンクされることを認めているのであれば、スコアを下げれば済むだけの話です。スコアが十分に下がれば、閾値の設定しだいですが、自動リンクは発生しなくなるはずです。

仮に、「キーワードを辿って日記を探したいという理由でキモイキーワード登録する」のを認めない、すなわち、捕捉されるのが気持ち悪い、というのであれば、はてなダイアリークラブ」カテゴリに放り込んでも、捕捉は継続されるので、何か別の対処法が必要になります。たとえば、キーワードそのものを削除するとか、「捕捉しない」キーワードの新設を運営サイドに要求するとか、「多杉シャッター」とかは、そうした感情に対しての対処法になっているでしょう。

いずれにせよ「すでに存在している対処法を用いていない」という点においてこの提案には無駄があります。

さらに、「はてなダイアリークラブ」に放り込むことによっては問題は解決しません。

それはあたかもごみ処分場を山奥に作るようなもので、直接的な悪影響を受ける人を減らすという意味では評価されても、悪影響そのものは残っているという点において、次善の策に過ぎない、でしょう。

さらにひどいことには、そうした用途で「ヘンなもの」を「はてなダイアリークラブ」に持ち込まれ続けると、「はてなダイアリークラブ」カテゴリはoffにして使うもの、という雰囲気ができてしまうかもしれません。それははてなのコミュニティにとっての損失でありましょう。

はてなダイアリークラブを魅力に思っている人がどれだけ多いのかはわかりかねますが、一連のはてな本や運営サイドがそれを「はてな」の売りのひとつだと主張しているのはよく知られた事実です。

とすれば、「はてなダイアリークラブ」をリンク可としている人の数は、「アニメ」をリンク可としている人の数よりも少ない、とは言い切れないでしょう。

ことによっては、「アニメ」から「はてなダイアリークラブ」に移すことによって、逆の結果(リンク可としている人の数を増やしてしまう)をもたらすことにもなりかねません。

自動リンク生成回避のための緊急避難ということであれば、「削除予定」カテゴリを用いるほうが、確実であり、かつ、副作用もない*1気がしますがどうでしょうか。

ただ、実験中ということのようですので、実験結果の報告があるまでは様子を見たいと思います。カテゴリ細分化は有効だという結論が得られれば、「誤爆回避」カテゴリ新設という方向になるかもしれませんし。

(追記)

一般カテゴリがオフにできない理由と近藤さんのはてな設計思想について。

"はてなダイアリーでは、キーワードが自動的にリンクになり、意外な発見や出会いが起こるとを楽しんで頂ける方にご利用いただければと考えております。*" はてな社長近藤氏が主に書いているはてなダイアリー日記より。

キーワード自動リンクオフが有料オプションになっていることについて。"マンションの自治会に出るのがどうしてもイヤだったら月3000円払ってください、みたいな感じですよ(笑)。はてなに入ってるなら、キーワードリンクはやってください、それがイヤならお金払ってください、と。" 波状言論07号(4月配信A号)近藤氏ロングインタビュー「はてなが拓くネットコミュニティ」前編 より。

(追記)

引用が非公正ということでしたので、引用箇所を修正しました。

*1:特定カテゴリが「ゴミ」であふれる危険性。