降伏宣言。

かみさま×はてな、の文脈ではなくて、かみさま×GGFさん、の文脈で読まねばならなかったのですね。

わたしの認識の中では、この問題は「かみさま×個々のユーザー」というミクロの問題(1000個)と、「かみさま×はてな」というマクロの問題の二重構造をなしていて、わたし自身はより重大な問題と考えるマクロの問題の方に重きを置いた受け答えをしていました。それではかみ合わなくて当然ですよね?

ところで、こういう話を続けること自体、かみさまの手の上ですよ。>id:ggfさん

ひとつやり方に問題があったとすれば、最近かみさまの日記がprivateになっているということでしょう

自分は最初から、先に貴方がこの様に仰ってた、それについて言ってるのですが。

id:ggfさんの考える最大の問題点は「プライベートの日記からパブリックの日記にリンクすることの妥当性」ということでよろしいでしょうか*1

先に述べておきますが、この問題に対するわたしの答えは「否」です。したがって、今回のかみさまの行為も容認しているわけではありません。

本論に入る前に、幾つか前提となることをお話しておきますね。

まず、はてなには高性能のリンク元探知機能があります。これを用いるとリンク元が分りますが、見ず知らずの誰かからリンクされるのは気持ちが悪いですよね?さらに、見ず知らずの誰からからリンクされるのみならず、自らへの言及があると推定される場所への立ち入りが技術的に出来ないとなると多くの人は不安定になりますよね*2

プライベートモードの日記からパブリックモードの日記に言及することはまさにこの例にあたり、人を不快にさせます

また、はてなはリンクにより成立するコミュニティです*3。相互に言及しあうことによって、はてなは単なる日記を超えた魅力をユーザーに提供しています。わたしとあなたがこうして言葉を伝え合う事が出来る、と言うだけでも、自己完結した紙の日記にはないすばらしい魅力だとは思いませんか?それを認めるがゆえに、はてなユーザーはリンクに寛容になれるのです。ただし、リンクに対する寛容性を保証する要件があることを忘れてはなりません。その要件とは、言及されている日記同士はお互いに対等である、ということに他なりません。ここでいう「お互いに対等である」とは、批判に対して開かれている、ということです*4。批判に対して開かれている、とは、お互いが「安全地帯」に身を置かず、差し向かいで言葉*5を交し合うことです。この条件が成り立たない場合、リンクの寛容性は成り立ちません。

プライベートモードの日記からパブリックモードの日記に言及することはまさにこの例にあたり、(一般には成り立ちえたはずの)リンクの寛容性は成り立ちません。。そして、さらに重要なことは、リンク寛容性の喪失がはてなの中心価値であるリンク機能を機能不全にしてしまう、ということです。

それでは、問題点「プライベートの日記からパブリックの日記にリンクすることの妥当性」を検証しましょう。

わたしはプライベートの日記からパブリックの日記にリンクすることについて「妥当ではない」と思います。

なぜならば、プライベートモードの日記からのリンクは「人を不快にさせる」*6上、プライベートモードの日記は「批判に対して開かれていない」*7=自らは傷つかない「安全地帯」からの無責任な放言だからです*8

よって、かみさまの行為*9も、当然、許されるべきではないと考えます。

ここで、いったんかみさま×GGFさんの話にピリオドを打ちたいと思います。

実は、上の話と同じことが1000人に対して行われたんです。そうなると、話は「GGFサンが不愉快な思いをした」というだけでは終わりませんid:ggfが別のidに置き換わっただけ、の話が1000件もあるのです。そうすると、問題は自然と「はてな」の方に向きます。

今回、かみさまの行為がはてなに対して提起した問題は主に二つあります。

  1. リンクスパム問題(一介のユーザが1000件ものリンクを簡単に貼れること)
    • より一般には、はてながユーザーの善意を基にして成り立つシステムであり、悪意をもつユーザーからの攻撃に対して極めて脆弱である、と言う問題。
      • しかし、http://d.hatena.ne.jp/rain1/19030929#p1にあるように、一万人を超えるユーザーすべてに善意を期待するのは無理がある。→ユーザー自身が、「オトナになる」ことが肝要。
  2. プライベート→パブリックリンク問題
    • 上で行われた議論。
    • 「くさいものにはふた」的議論になるが、プライベートからパブリックへのリンクの場合、referrerを表示させないことで(つまりシステム側の対応により)問題は一応回避できる*10

今回の問題は、はてなの中心価値のひとつであるリンク機能を悪用して、1000人近いはてなユーザー(含むGGFさん)を不快にさせた、と言うことにとどまりません。もちろん、GGFさんが繰り返し指摘されるように、それは無視できる問題ではありませんが。

今回のかみさま(id:yhvh)の行為は、信認により成り立つはてなというコミュニティを内部的に瓦解させる可能性があった、という点において、上の問題にとどまらない重大なはてなに対するチャレンジになったのです。そして、わたしはそのことを重く見て上で述べたような、はてな×かみさまの議論を展開したのです。

そこは御理解いただけたでしょうか?>id:ggfさん


自分の時間とお金と命を削って書くダイアリで、わたしは人と対立することにエネルギーを費やしたくはありません。どうせ命を削るなら、

のように、人様に喜んでいただきたいのです。

また、時間と労力を費やして書くのなら、しょうもない恨み言や揚げ足取りを万言連ねるよりも、id:ggf:20030929#p4のように一言でも未来に向けての提言がしたいのです。

これはid:ggfさんに対するわたしの降伏宣言です。

不快な思いをさせて申し訳ありませんでした。

*1:ref: http://d.hatena.ne.jp/ggf/20030929#p3

*2:http://bx.sakura.ne.jp/~kyou/diary/archives/200309/nfreferrer.shtml

*3:note:外部とは無関係に備忘録・リンク集・日記として用いている人も大勢いる。そして、本来、こういう用途のためにプライベートモードがある。

*4:id:mittyid:ggfの関係のように、ね?

*5:仮にそれがどんなにきつい言葉であれ、お互いがお互いを認め合った上で交し合う以上、安全地帯から批判するよりもずっと健全なことです。

*6:id:ggfさんは「人を不快にさせる」というのは理由にならない、とおっしゃるかもしれませんが、そこで分かり合えないのなら、あなたとは分かり合えなくてもよい気がします。

*7:わたしはid:ggfさんからの批判にきちんと受け答えしていると思います。

*8:「批判」しようにも、相手が土俵にのぼっていないからできない、というもどかしさはたいへん不快なものです。

*9:かみさまがGGFさんにプライベートのダイアリーからリンクしたこと。

*10:http://bx.sakura.ne.jp/~kyou/diary/archives/200309/nfreferrer.shtml