コースワークとは。

経済学界隈で言うコースワークとは、通常、大学院1年次における基礎科目3つを指す。すなわち、

の3つである*1

コースワークにおいては、研究者に必須の基礎を高度な授業*2と大量の宿題を通じて叩き込む、ということが重視される。そのため、M1の時にはコースワークで忙殺されるのが常である。

コースワークにおける標準的な教科書は、

ミクロ経済学
Microeconomic Theory
マクロ経済学
Recursive Macroeconomic Theory
計量経済学
Econometrics

である。

他にも良書はいろいろあるが、これについてはプリンストン大学Ph.D studentであるyyasuda氏が作成された一連のブックリストが非常に参考になるだろう。


コースワークを乗り切るためには、数学の基礎知識を要求されるということには注意せねばならない。例えば、

のような内容は大学院入学前に理解しておくことが望ましい。

コースワーク科目は、大学によっては、「上級○○経済学」として学部に対しても解放されていることがある。その場合、大学院進学を考える学部生は積極的にそうした科目に参加することが推奨される。そうすることにより、

  • 最良の院試対策になる*3
  • 院へ内部進学した場合、単位が持ち越しできる*4
  • 留学する際の推薦状にコースワーク科目で良い成績を収めたことを書くのは非常に高ポイントである*5

という実質的なメリットがあるからである。また、

  • 修士2年という短い時間を最大限活用できる
  • 二回履修することにより理解を深められる

というメリットもある。余力のあるadvanced undergraduateの諸兄は是非チャレンジされたい。

*1:さらなる情報としては、http://www.econ.hit-u.ac.jp/~iwamoto/Courses/HowToSurviveEconGradPrg.htmlおよびhttp://www.iser.osaka-u.ac.jp/~kajii/FAQ.htm#entrance_exam_gradを薦める。

*2:大学院教育を重視する大学では英語で授業されることもある

*3:作問者自身が授業を担当している場合もある

*4:この規定の有無は大学によります。要確認!

*5:ref: http://www2.e.u-tokyo.ac.jp/~akichan/2002/column/advice_phd_usa.htm