2つの次元の問題をまとめて一つのスコアで処理しようとするときに生じる問題の話。

http://nikki.g.hatena.ne.jp/hkt_o/20050115#p1

とっととシステムで対処しろ、という意見が過半数なのであって、システムの内容には関心ない人が多い、だから、もっといいシステムにしようよ、といって反対に回る意見が支持を集められない……という可能性。案外、これはありうると思います。

* 何でもいいから、とにかくシステムを構築しろ!
* くだらないシステムなら実装しない方がましだ!

じつはこの2項対立であった、と。そして半年前と比較して、ますます前者が増えている、みたいな。

のくだりを見直していて思ったことですが、もしかすると今回のアンケート(question:1105486297)は選択肢の作り方がまずかったのかもしれません。

すなわち、ここでも2つの次元の問題をまとめて一つのスコアで処理しようとするときに生じる問題が生じている可能性があるのです*1。仮に、選択肢が

  • 削除の自動化処理に「賛成」(A)
  • 削除の自動化処理に反対→もちろん今回のはてな案にも「反対」(C)

のように3つで設定されていたら、ずいぶん違った印象を受ける結果を得たと思われます。

もしも現アンケートの「賛成」が上の選択肢のAに相当しているに過ぎないのだとすれば、仮にはてなの原提案よりもすぐれた自動処理化案が議論の中から出てきたとしてそれを採用したとしても、誰も不満になど思わないでしょう。また、「反対」を掲げる人が多くの自動化処理案を提案していることから推察するに、わたしは「反対」はbに相当するという印象を受けています。それゆえ、本当に自動化処理に反対している人がどれだけ居るのかを「反対」の数から推し量ることは難しい状況にあるといえましょう。


現アンケートの作り方のまずかったところは、

  • 「賛成」→a+b
  • 「反対」→b+C

のいずれかがわからないという点です。そして、この問題はキーワードのスコアを削除に流用する際にも生じえます。つまり、選択肢を3つ用意した場合とはまったく逆の結論を得てしまう可能性があるということなのです。

参考:「スコア投票の選択肢について 「キーワードとして不適切・不要」項目を追加してほしいです」>id:hatenadiary

*1:これはスコアをまとめて処理しようという案に対するアンケートなのですが、その際に生じうる問題点を身をもって示しているという点においてことさら意義深いと言えましょう。