http://nikki.g.hatena.ne.jp/hkt_o/20050113#p4

今回の投票というフェイズは「はてなユーザ全体としての意志決定」に主眼があるのではなく「実装予定の新システムに当たっての意見収集」に主眼がある、というのがわたしの認識です*1

そして、その認識はわたしの主観ではなく運営サイドの方針であります。そもそも、キーワードキーワード削除投票システム案」内に

上記のシステム案について、意見募集を行います。

アンケートや寄せられた意見などを踏まえ、今後の方針をはてな内で検討します。

ご意見をお寄せください。

と書いてあるではありませんか。

仮にこの投票が「議決」のために行われているのだとすれば、

これは逆のこともいえると思う。つまり、ダブルスコアで新システム案が支持されているのに、ノイジーマイノリティがちっとも投票結果を尊重しない。少しは言及したらいいのに、まるで無視。「愚民どもの多数決なんて知ったことじゃありませんことよ」って雰囲気がヤな感じ。

あんなアンケートに回答するだけでも、ふつうの人よりはキーワードに関心があるだろうと思う。その人たちが、ゴチャゴチャいわんと、簡単なシステムでとりあえずやってみたらええんちゃう? という結論を出した。そりゃ、まだ回答受付中だけど、もう逆転はない。

という批判は妥当なものとなりえますが、先ほど確認したようにこれは「議決」ではなくて「世論調査」でありますので、運営サイドの提案に対し対案を提示するという行為は尊重されこそすれ非難される謂れはないのではないでしょうか。

意見収集に主眼があるとすれば、むしろ、そのような形で意見を封殺しようとする態度の方が問題視されるべきでありましょう。

(追記)

http://nikki.g.hatena.ne.jp/hkt_o/20050115

わたしと近藤さんのはてなにおける関係はパッチ開発者とLinusLinuxにおける関係である、という感じだと思います(http://amrita.s14.xrea.com/d/?date=20031117#p02)。だから、hkt_oさんの

mitty さんは、(理性的に話のできそうな)はてなスタッフの方しか向いていない。その点、「国民への説明」をする気のない、専門委員会の一部の方々と似てますよね。

という批判は的を射たものであるといえましょう。

とはいうものの、「説明する」というのは口で言うほど容易なことでないでしょう*2。「水のみ場に馬を連れて行って、水を飲ますことができる」ならば、誰も苦労しません。つまり、「説明する」には前提条件があって、少なくとも説明する相手がキーワードの問題に対して関心を持っている必要があるのはいうまでもないでしょう。それを無視して説明を始めることは容易いですが、おそらくそれには意味がありません。そして、

http://d.hatena.ne.jp/caramelly/20050113#1105627584

こんなにも反応が悪いのは、削除システムをどうかしたいと思っている人が少ないからではないか、ほとんどの人は現状で不満がないのではないか。それを変更したいのであれば、必要性をもっと分かるように説明すべきだ。と、言っておく。

などで指摘されるように、「ほとんどの人は現状で不満がない→ゆえに関心がない」のだとすれば、「説明する」のは辻説法のようなものになってしまいそうです*3



と、つらつらと続けようとしたのですが。。。

とっととシステムで対処しろ、という意見が過半数なのであって、システムの内容には関心ない人が多い、だから、もっといいシステムにしようよ、といって反対に回る意見が支持を集められない……という可能性。案外、これはありうると思います。

  • 何でもいいから、とにかくシステムを構築しろ!
  • くだらないシステムなら実装しない方がましだ!

じつはこの2項対立であった、と。そして半年前と比較して、ますます前者が増えている、みたいな。

ここに指摘されているように、賛成票は「システム処理化への賛成で、そのシステムは任意のシステムと置き換え可能」なのだとすれば、万が一、わたしの案(=同様にシステム処理化案)が全面的に採用されることになっても「アンケート時よりも機能が高い(=というか運営サイドにとって負担が少なくなる)システム処理化案で実装しました。ご理解ください。」と運営サイドが一言謂えば済んでしまうかもしれませんね。

多くのユーザは何が実装されたかに興味があるのであって誰がそのアイディアを出したかには普通関心を抱かないものでしょうから。

それが理念的にマズいという話であれば、もう一度アンケートをとって民意を問えば責任は果たされたことになるでしょう。そして、hkt_oさんの指摘が正しければ改定案の方にも同じだけ追認の票が集まりそうな気がします。

*1:過去、キーワード削除投票システム案(旧案)に関する投票が行われたことがありましたが、結果は、「アンケートの結果、賛成が過半数を占めたものの掲示板等での反対意見も多く、特に「削除を行う側に有利すぎる」という意見が多かったため、実装は見送ったhttp://www.hatena.ne.jp/1088423881」というものでした。先回においても旧案に対するさまざまな問題点が指摘されると同時にそれをカバーした対案が多数出されたと記憶しておりますが、それが議論を深めたのはいうまでもありません。

*2:また、不特定多数に対する「説明する」は「誘導する」に容易に転化しえます。

*3:改善案の説明にはまず問題点の共有から入らねばならないでしょうから、問題がないと認識している人に向かって改善案を説明するのは至難の業でしょう。