拡大するフリー百科事典『ウィキペディア』の課題

http://hotwired.goo.ne.jp/news/culture/story/20050113205.html

このところウィキペディアが直面する問題は、主として、記事の作成とその信頼性を検証するシステム、そして専門的なトピックを十分に網羅し、単体の情報ソースとしてバランスが取れたものと見なされるかどうかという点にある。

 ウィキペディアは、コミュニティーのメンバーなら誰でも執筆でき(日本語版記事)、書かれた内容を他のメンバーが編集することもできる。誰もがどの項目でも編集できるということは、記事の内容が決して完結しないことを意味する。それは同時に、記事の正確さについて承認を行なう、最終的な権限を持つ人間がいないことも意味している。正確さは、コミュニティーの自己管理的な性質によって保たれるとされているのだ。

 しかし、正式な検証が行なわれないことが、今日ウィキペディアが直面する問題の多くの根源となっている。カリフォルニア大学バークレー校の大学院生で講師も務めるダナー・ボイド氏のように、学術分野にいる人間にとっては、そのことがまさしく問題となっている―― ウィキペディアに収録される1つ1つの項目がすべて、正確さにおいて最低限の基準を満たしていると断言できないのだ。