キーワードと人格は分けて考えるべき。

第三者言及可能性基準は、私的な単語がキーワードという公的領域に滲出するのを抑止するところにその趣旨がある、のでした。

それははてなの公共の利益のためであるのと同時に、登録者自身のためでもあります。

わたしは割と長い期間キーワード関係の揉め事を眺めていますが、「キーワードの削除」を自分の人格の否定につなげてしまう人が少なからず居られるようなのです。直近の例では「ボXX」「ナXる」などでしょうか。

このように自分のアイデンティティとは関係ないキーワードですら、削除されたときに人格を否定されたと感じる人がいます。ましてや、愛犬の名前や自サイト名などの自分のアイデンティティにかかわるものをキーワードにして削除されたときに人格を否定されたと感じる人はもっと多いのではないでしょうか。

そうしたことを未然に防ぐために、「しなもん」ルール(きわめて私的な単語はキーワードにふさわしくない)はあるのです。

キーワードにするということは、第三者言及に晒されるということでもありますし、ルールに従っていない場合には削除しろという話になることもあります。ただ、問題なのはキーワードなのであり、登録者の人格ではありえません。さらに言えば、キーワードにされているものの価値とも何の関係もありません*1。ルールに従い、感情を入れずに、妥当か否かを判断するだけです。

「ボXX」などの普通の単語の場合は、理性的にキーワードと人格を分けて考えられるでしょう。では、自分のペットの名前や自サイト名をキーワードにしたとき、キーワードの削除と人格の否定を分けて考えることは出来ますか?

しなもん」ルールはそれを問うているのだと思います。

キーワードの削除と人格の否定を分けて考えるという覚悟が無い場合には、人格に深くかかわる言葉のキーワード登録を避けるのが賢明な判断といえるのではないでしょうか。

参考リンク:

http://d.hatena.ne.jp/mitty/20040125#p2

まあ、自サイトの登録については、よほど極端かつ悪質でない限り問題ないとの見解(http://d.hatena.ne.jp/DocSeri/20040123#p3)もあることですし、(他人に迷惑をかけていない)こうした例で騒ぎ立てるのは大人気ないとは思いますが。

http://d.hatena.ne.jp/mitty/20040127#p1

一方、「杓子定規なルールの適用ははてなの魅力を損なう」という指摘も忘れてはならないと思います。個人サイト名登録禁止という明示的なルールが無い以上、残したい側と削除したい側で極限まで共存の努力を図ることが必要なのではないでしょうか。そうした試行錯誤のステップを抜きにしていきなり斬って捨てるような削除の仕方には感心しません。

http://d.hatena.ne.jp/mitty/20040128#p3

あなたの話はなぜ「通じない」のか』より

望んでもいない相手に、正論を振りかざすのは、道行く人の首根っこを捕まえるような暴威だ。まして、あなたと対等でいたい、あなたより立場が上でいたい、と思っている相手なら、無理やりその座から引き摺り下ろし、プライドを傷つけ、恥をかかせる。

http://d.hatena.ne.jp/mitty/20040129#p2

yes-noの二項対立を超えて、双方が満足できるような選択肢を提示する。

競争相手を貶めることにエネルギーを割くのではなく、そうした双方が満足できるような選択肢の創造にエネルギーを割くことが真に尊いことだと思います。

http://d.hatena.ne.jp/mitty/20040130#p1

もともと個人サイトのキーワード登録は、それを明示的に禁止したルールはありません。(「しなもん」ルールによりキーワードの私用が戒められていると考えるわたしはキーワード「角松フリークの部屋」が無いほうが望ましいと思いますが。)現状ではルール的に黒と断定できない以上、id:nutsandsapphireさんのお気持ちを尊重して妥協することにします。

http://d.hatena.ne.jp/maspro/20040131#1075482315

ただ現実として、多少他の人は、思いとどまってることを半歩ぐらいグレーゾーンに足を入れちゃっている分、風当たりは強くなる

(略)

そしてそのたびに矢面に立つのが、そういう感じで無自覚に、グレーゾーンに踏み込んだ登録をしちゃった人が突っつかれるという事になるんだと思う。そっとしておいてという気持も判るけど、オカシイ人ほどそういうのに目を付けてくる。理解している人も、否定しないけど結果的に、ちょっとルール違反っぽいけど認められたんだよ、という言い方をしなければならない。気にしないでどこ吹く風と振る舞ってもらえば良いんだけど(忌憚無く言うと、まったく攻撃のような事をしていないんだけどかってに傷ついてる、という事だし、更にひどい言い方をしてしまうと、それだけ微妙な位置に進んで立つということをしているのに、そんなにナイーブじゃやっていけない、気持ちを図太く持っていないとやっていられないし、第三者の言及に耐えられないならキーワード(看板)を下げるべきなんじゃ?)と思いつつ、またいつか、強引な主張をしてきた人に対する説明をするときに、そういう立場の人を引き合いに出さずに説明するように配慮しないといけないかなと思った。

http://d.hatena.ne.jp/herecy8/20040130#p1

個人名(ハンドル等を含む)、個人サイトの自薦による登録の場合、自分の感じ方としてたしかに私有化のニオイに反発したくなる部分はあります。ただうまく線引きができないので、疑わしきは罰せずじゃないですが、削除に積極的にはなりづらいところです。でも1ヶ月とか期間を区切って言及日記を見てみるというのはわりと現実的な基準ですね。

*1:仮に、「宮野[]ともちか」が削除されるとしても、それは宮野作品のすばらしさとは何の関係もありません。