簿記を快適に。

http://d.hatena.ne.jp/rain1/20040127#p3

九九が出来ないと算数や数学が楽しめないように、電卓が巧く操作できないと簿記は楽しめない、と感じてます。日ごろ電卓になじみの無い人が簿記を始めた場合、仕訳をたくさん覚える必要があることも大きな壁ですが、それと同じくらい大きな壁として「電卓の壁」があると思うのです。もちろん、電卓を上手く操れる人が周りにいればその人に教えてもらえば問題ないでしょうが、周りにそうした人がいないということもありえます。そうしたとき、どうやって効率的な電卓の使い方を身につければよいのでしょうか?

電卓操作の本』は、簿記の学習に不可欠な電卓操作の基本を教えてくれる本です。簿記をやる際のパートナーである電卓の潜在能力をどれだけ引き出せるか、というコンセプトから書かれており、練習問題形式で使い方を基本から仕込んでもらえます。

全部で三章から構成されてます。第一章は電卓の基本操作を扱います。加減乗除は言うに及ばず、メモリーを利用した計算の仕方(M+,M-,MR,MC)やGT/バックスペースといったなじみが薄いキーの解説をしたうえで、定数加算(ダブルプラス)や定数乗算(ダブル×)といった使える計算方法を教えてくれます。ブラインドタッチの技法についての解説も含まれます。第二章は第一章で学んだ基本操作を会計実務にどう生かすかということを扱います。利息の計算などを通じて学ぶので、電卓の操作だけでなく、簿記を学ぶ際に必要な基本コンセプトをかなりの範囲で抑えることが出来ます。第三章は受験生向けで、例題が特殊商品売買や製造間接費の配賦計算など、かなり試験向きの内容となっています。第一章の基本操作をどういう風に「併せ技」として使えば効率的に計算できるかが分かります。さらに、どうしたところで間違いがおきやすいのか、その間違いはどうしたら検算できるのか、ということが提示されている点は特筆に価します。

日常的に電卓を使う人には「釈迦に説法」な気もしますが、「簿記用の電卓の使い方マニュアル」ということで併せて勧めてあげてください。

(追記)

id:rain1さんによる電卓の選び方ガイドはこちら。→http://d.hatena.ne.jp/rain1/20040129#p1