「悪しき先例」の話。

http://d.hatena.ne.jp/lira586/20040124#p2

ただこの場合、このキーワードが「悪しき前例」になってしまう恐れもあります。

実は、わたしやid:lira586さんが懸念しているような「悪しき先例」は既にあるのでした*1

memn0ck」や「えんにゅ〜す」、そして、「角松フリークの部屋」がそれに該当する可能性があります。これらの共通点はいずれも自薦によるキーワード登録がなされているところにあります。

さらに驚いたことに「memn0ck」や「えんにゅ〜す」に至っては、運営サイドからの追認まで得ています(http://d.hatena.ne.jp/hatenadiary/20030428#1051486616)。

とはいえ、「memn0ck」や「えんにゅ〜す」に対してはコンスタントに複数のidからの言及があり、「第三者言及可能性」の要件は十分に満たされているといえるでしょう。そう判断したからこそ、http://d.hatena.ne.jp/hatenadiary/20030428#1051486616という見解があるのでしょう。よって、これらは「悪しき先例」とは言えません。

問題は「角松フリークの部屋」です。「角松フリークの部屋」を含む日記、をご覧ください。2004/1/25時点までの言及は15件。そのうちの8回が作成者による言及で、残りの大部分は「第三者言及可能性」の問題を指摘するものです。つまり、(1ヶ月以上の猶予があったにも関わらず)作成者による言及とメタ言及(しかも、「第三者言及可能性」が無いのではないか、という問題を指摘する言及)しかされていないのです。

したがって、(厳格にルールを適用するのであれば)キーワード「角松フリークの部屋」に関して、http://d.hatena.ne.jp/hatenadiary/20030428#1051486616における運営サイドからの追認は適用されず、「しなもん」ルール(第三者言及可能性のないものはキーワードにできない)に照らして削除するべきである、と考えます*2

曲がりなりにも他薦である「瑠璃・・・」を問題にする以前に、自薦である上にコンスタントに複数idからの言及を得ていない「角松フリークの部屋」の方が「しなもん」ルール的には問題なのではないでしょうか。それゆえ、第三者言及可能性の無さを理由に「瑠璃・・・」を削除したい側は、「角松フリークの部屋」についての見解を提示する必要があると考えます。「瑠璃・・・」を削除して「角松フリークの部屋」を残すようなことがあれば、「瑠璃・・・」を残したい側は納得しないのではないでしょうか。

個人的な考えを述べると、第三者言及可能性基準は、私的な単語がキーワードという公的領域に滲出するのを抑止するところにその趣旨があるのであり、それを死蔵キーワードに無理やり適用するのは無理がある、と思うのです。死蔵キーワードにむりやり第三者言及可能性基準を適用して削除、という行為がまかり通るとすれば、例えば、「ゆびさきミルクティー」の連載が終わってしばらくたって誰も言及しなくなればキーワード「ゆびさきミルクティー」を削除してもよい、ということになってしまうでしょう。結局のところ、わたしは死蔵の問題と第三者言及可能性の問題を混同してほしくはないのです

まあ、自サイトの登録については、よほど極端かつ悪質でない限り問題ないとの見解(http://d.hatena.ne.jp/DocSeri/20040123#p3)もあることですし、(他人に迷惑をかけていない)こうした例で騒ぎ立てるのは大人気ないとは思いますが。

参考リンク:http://d.hatena.ne.jp/maspro/20031212#1071217408

自薦についてはいいんですけど、第三者が言及する、に関しては、言い出したら、はっきりしたことは言えないし、気持のいい話になりません。サイトとしての力みたいな話になるじゃないですか、個人の犬シナモンの登録は、いけないけど、くぅーの登録はいいと。じゃあ個人のサイトは、いけないけれど(良いのか悪いのかわかりません、個人の犬の名前と、個人サイトの違いって、あるのかどうか)、えんにゅ〜すはいい、サイトとしての力関係みたいなことを考えるのはいやなのもですし。

  • 両者の比較
    • 「瑠璃・・・」
      1. 他薦である
      2. 長期にわたって登録者以外からの言及が無かった(→死蔵になっていてキーワードとしての用を成さない)
        • →ルール的には白。キーワードとして死んでいることは、ルール上では削除の理由にはならない*3
          • 特に、「死蔵キーワードの自動削除案」が運営サイドから却下されたという歴史(http://d.hatena.ne.jp/hatenadiary/20030212#1045017415)があることは心に留めておくべき。
            • 死蔵と第三者言及可能性の無さ、を混同すべきではない。すなわち、しなもん」ルールは私的な単語がキーワードという公的領域に侵出するのを抑止するところにその趣旨があるのであり、死蔵されているキーワードを削除するために存在するのでは決して無い。
              • したがって、死蔵キーワードを削除する根拠として第三者言及可能性の無さを引き合いに出すのは意味が無い*4
    • 「角松フリークの部屋」
      1. 自薦である
      2. コンスタントに言及があるが、それは登録者と問題点を指摘するメタ言及のみ(→生きてはいるが内輪の言及のみ。第三者言及可能性を満たさない恐れあり。)

(追記)

参考リンク:http://d.hatena.ne.jp/rushtetsu/20040126#p1

*1:厳密に言えば、「瑠璃・・・」は、id:lira586さんが恐れているタイプの前例にはなり得ません。それは「他薦」になっているからです。

*2:もちろん、作成者ばかりが言及するキーワード<例:高岡英夫>は他にもありますし、それどころか作ったはよいが実質的に死んでいるキーワード<例:瑠璃・・・>すらあります。しかし、それらは「しなもん」ルールをクリアしているのです。「角松フリークの部屋」の場合は、1ヶ月様子を見たところ作成者による言及とメタ言及以外存在しませんでした。よって、「しなもん」ルールに従えば、削除すべきでしょう。

*3:しかし、言及が無いという点において、はてなの役には立っていないので、削除提案には一定の意義を認めることが出来る。

*4:このロジックを認めてしまうと、例えば1年後に「議題ボインキーワードについて」は言及が長期間無かったので削除します、ということにもつながりかねない。これは死蔵キーワードであると同時に第三者言及可能性があるキーワードである。この例からも分かるように、死蔵と第三者言及可能性の問題は分けて考える必要がある。