交渉の決裂点。

http://d.hatena.ne.jp/kanryo/20030923#p5

ゲーム理論に多大な貢献をしたと言われるナッシュの業績のひとつに、交渉の分析がある*1

ここにおいて得られる重要な知見は、「交渉の決裂点」が両者の交渉力に影響するということだ。

つまり、交渉が決裂した場合に得ることが出来るモノの価値が高いプレイヤーのほうが交渉においても積極的に攻めに出られるため、交渉力が高まり、結果として、契約成立の暁に得られる利得が増えるのである。

ここで、国民と官僚になりたい若者との間で交渉ゲームを設定しよう。国民は限られた予算の中でより優秀な若者を雇いたいとおもっている。若者はより収入の高い仕事に就きたい*2と思っている。

若者の交渉の決裂点は、他企業へ就職した場合の収入と言うことになる。

ここで、競合しうる業種は外資系・コンサル・金融・商社などの極めて高給取りが多いとされる業種である。よって、若者の交渉力はいよいよ高まる。

要するに、優秀な若者をこき使うためには、それなりの対価が必要と言うことです。

*1:ref:『新ゲーム理論』第7章

*2:簡単化のため。