ルール上妥当と判断されたキーワードは削除されえないのか?
歴史を振り返ると、このことに関する答えは「否」です。
ルール上妥当と判断されたキーワードが削除予定にまわされた例としてよく知られているのは、
- モデレーションシステム実装前の「誤爆」多発キーワード全般(のの、たま、など)
- 「瑠璃の不倫生活」(はてなダイアリー評議会議題2号)
などがあります。
誤爆するキーワードは作成できない、というルールは存在しません。それはモデレーション実装前でもそうでした。それゆえ、誤爆しやすいキーワードをルールに従って作成することは可能だったわけです。しかしながら、モデレーションシステムがない状態でそうしたことをすると、誤爆の被害ははてな全体に広がってしまいます。そうしたことから、「誤爆するものは削除にまわす」という慣習が発達してきました。もちろん、これはルールに基かない削除行為です。この慣習は公共の利益になることが分かりやすいことから、広く受け入れられるにいたりました。(とはいえ、キーワードモデレーションシステムの実装を持ってこの慣習は役割を終えたといってよいでしょう。)
「誤爆するものは削除にまわす」という慣習と同じくらい広く信じられていることに、
- 「過度に一般的な名詞は登録すべきでない」
というものがあります。何をもって「過度に一般的」とみなすかは意見が分かれるところですが、
のコメント欄で行われた議論は一読に値するものと思います。
キーワードモデレーションシステムの実装に伴い、キーワードの「名詞縛り」ルールが撤廃されました。こうして我々は副詞・形容詞・形容動詞・動詞などを登録できるようになったわけですが、先ほどの考えを拡張したものとして、
- 「過度に一般的な副詞・形容詞・形容動詞などは登録すべきでない」
という意見は根強く存在します。
旧来のシステム下ではこうした意見を支える裏づけとして、「地の文にキーワードリンクが発生すると読みづらい」というものがありました。確かに現時点においてキーワード説明文のスコア閾値は0であり、そうした状況がすべての日記で起こっていたとすれば憂うべき事態だったかもしれません。しかしながら、こうした主張はモデレーションシステムの実装により根拠を失いました。
もう一つの裏づけとしては、「捕捉されたくない」というものがあります。形容詞・形容動詞・動詞などで捕捉されることを好まない人たちは、ダイアリーの中に一定数存在します。そうした人たちが形容詞・形容動詞・副詞などのキーワード削除を望むのは無理からぬことです。
そして、こうした捕捉懸念による削除行為に対し「モデレーションシステムがあるから大丈夫!」と答えるのは実は答えになってないのです。
形容詞などをキーワード化することが解禁されたのはごく最近のことです。こうした領域での慣習は未だ未形成であります。ただ、一つ予測されるのは、
ように
- 過度に一般的な副詞・形容詞・形容動詞・動詞をキーワード化することが嫌われる
のも間違いないであろう、ということです。
試行錯誤により快適な慣習が形成されることを期待します。