削除権とサルベージ権の話。

http://d.hatena.ne.jp/sasada/20031230#1072784118

お返事ありがとうございます。

まず初めにひとつ確認させてください。これから我々は「ユーザの行動を制限する」提案をしようとしています。そして、それは本当に必要なのか、他で代替出来ないのかを常に考えていかねばなりません。制限はないに越したことはないのですから。ここら辺の話は、http://d.hatena.ne.jp/system/20031015#p7http://d.hatena.ne.jp/mitty/20031017#p3http://d.hatena.ne.jp/maspro/20031230#1072721294にあります。つまり、システム的な堅牢性を追求するあまりユーザが息苦しく感じるようでは、ちょっと問題あるでしょう、ということです。その堅牢性のレベルが1年に一度いるかいないかの悪質ユーザに対するものであるとすれば、なおさらです。

それを踏まえた上で、「同一キーワードに対する削除権・サルベージ権を一人n回に制限する」という提案は、ユーザに制限を課すものですが、通常ユーザへの影響はほとんどなく、それゆえ、導入するに値するものだとわたしは思います。

では、それをどのように導入していけばよいのか、という話になりますね。

「原則ダイアリー市民にしか(削除の)権利を認めないのは正しいのか」と、問われるとわたしは「正しい」と思います。

その論拠は次のようなものです。

  • はてなでは捨て垢作成がきわめて容易
    • 捨て垢による無差別攻撃が実行可能であるというのは極めて危険な状態である。
  • 削除に関する概念が錯綜していて、初心者には分かりにくい。
    • 「正当な理由」を提示するためには、ある程度はてなダイアリーのルールに熟達する必要があり、それには一定期間が必要だろう、ということ。
  • 削除に関する事項は、トラブルを招きやすい
    • 初心者にははてなダイアリーを純粋に楽しんでもらいたい。汚い部分を初めから見る必要はない。

特に、捨て垢を用いた「コミュニティ破壊行為」にわたしは危機感を抱いています。

一方、「キーワード作成者優遇は正しいのか」と問われるとわたしは「正しくない」と思います。

その論拠は次のようなものです。

  • 削除者と登録者は同じ一ユーザとして対等であるべき。
    • パワーバランスをどちらかに傾けるような規制は、ダイアリーユーザが対等であるべきという理念に反するので、望ましくない。
  • はてなダイアリーのキーワードは誰でも編集できる。
    • これは「みんなで協力してよいものにしていきましょう」という意図の表れと見ることが出来る。その意味において、登録者と「充実に尽力した人」は対等であるべき。そのような状況下で、登録者のみに特権を認めるのは問題がある。
  • 私物化の根拠を与えてしまう恐れがある。
    • キーワードは公共物であるという現状にはそれはふさわしくない。

そうしたわけでid:sasadaさんの案(http://d.hatena.ne.jp/sasada/20031226#1072442185)は、かなり現実的なものなのではないかと、感じています。

特に「生まれ変わり」や「捨て垢」による攻撃を抑止するという効果は無視できないものと思います。


末筆ながらid:sasadaさんご自愛くださいな。

(追記)

参考リンク:http://d.hatena.ne.jp/herecy8/20031230#p2