『もえたん』レビュー。


ネタとしてのレビューは各所にありそうなので、受験参考書としてのメリット・デメリットを検証しましょう


まず、全体の構成から。通常の単語集と同様に、覚えやすいようにセクション構成になっています。セクション数は13*1

各単語は、

  • 単語
  • 発音記号
  • ひらがな読み
  • 派生語
  • 例文

により構成されています。フルカラーを生かして、見やすい画面構成を作ることに成功しています。さらに、フォントはわかりませんが、手書き調でやわらかな雰囲気をかもし出しています。また、単語によっては「いんく先生の豆知識」として、一言コメントが添えられていますが、これはまともな語源の知識だったりして、記憶を助けてくれます。


各セクションの終わりには、イラストと掛け合い漫才調のストーリーが添えられてます。よい子が読むと目がつぶれます(→id:rain1さんへ)。

このセクションの終わりのコラムには、本当に役に立つものもいくつか含まれています。特に、単語の覚え方に関する記述は、触れたことのない層には新鮮に映りそうなことが書かれています。

つまり、イラストやストーリー、例文の奇抜さを除くと、きわめてまともな英単語集ということです。また、カバーはリバーシブルなのですが、裏カバーだと、ぱっと見、普通の英単語集に見えます*2

終わりに英単語集としての欠点でいくつか目に付いたものをあげておきます。

  • 全体的に単語が少ない
  • 英単語のレベルがよく分からない*3センター試験レベル*4)→奇抜な例文を採用したためか、例文を理解するのにセンター試験超クラスの英単語を理解している必要がある場合が多々ある。しかも注釈もない。
  • 例文を入力したCDがない(別売りでも存在しない)*5
  • 自動詞/他動詞の区別がない
  • 単語索引がない
  • 例文で使われている構文・熟語表現の解説がない

特に後ろ二つは改善が望まれる点です。単語索引がないのは単語集としては致命的でしょう。また、例文にこだわって各種の慣用表現を取り入れているのに、その解説がないというのはもったいないことです。

関連メモ:http://halfway.parfait.ne.jp/a-news.cgi?date=2003.11.22

*1:アレなひとにはぴんとくる数字らしいですね。

*2:見えないという意見もあります。要確認!→http://d.hatena.ne.jp/tororon/20031122#p2 or http://d.hatena.ne.jp/rokekaru/20031122#p2

*3:基礎単語が割と落ちているので、類書との併用を推奨します。

*4:公式サイトより:「▼大学受験・初〜中級の厳選600語。やり通せば絶対に力になる、頻出単語をラインナップしました。無理なくこなせるセンター試験レベルの基本単語を厳選、志望大学へ向けた学習に先立つベースづくりに最適です。(対象学年高1〜高3)」

*5:後で作ってまた稼ぐつもりなのでしょうか?