若年雇用問題に関するメモ。(http://d.hatena.ne.jp/mae-9/20030919#p6)
上の4冊あたりは必須かと。
いずれも2002年以降の出版なので、わりと最近の情勢が分析されています。
当日記では、
などに若年失業問題を書いています。
(追記)
- 『日本型サラリーマンは復活する』
- 若年雇用とは少しずれますが、日本のサラリーマン社会を歴史的パースペクティヴから見直している興味深い読み物です。
- 『できる社員は「やり過ごす」』
- 論文集『日本企業の意思決定原理』の簡約版。日本企業に広く行き渡っている「人材を育てる」という発想がどこから来ているのか、という問に対する答えが与えられています(→答え)。
- 『成長と人材―伸びる企業の人材戦略』
- 雇用流動化と人材育成の関係に関する指摘を含みます。
- 『日本の労働経済システム―成功から閉塞へ』
- 『マクロ経済学のパースペクティブ』などのわかりやすい教科書を書くことで知られる脇田教授の博士論文を刊行したもの。日本的雇用慣行について、契約理論などの比較的新しいツールを用いて分析している点が斬新で、評価されるべき一冊です。
若年失業の問題は、日本の雇用システムとは無関係に語ることはできません。
一般に、日本企業の人減らしの方法は、1)定年退職による自然減待ち、2)新規採用を手控える、の順番に行われています。それでも十分に減らしきれない時にようやく3)リストラという話になるわけです。現在は、リストラというフェイズに入っていますから、当然、2)若年失業の問題が構造的に出現します。
現在の若年雇用の状態が異常なのか、それともこれが通常として定着してしまうのかを見極めるためには、日本企業の人材育成に関する考え方を再考する必要があります。
わたし自身は、「未来傾斜原理」によりコア人材は社内で大事に育て、リプレイスが可能な人材は社外から都合により調達、という二極分化を予想します。
おそらく今後社会的に問題となるのは、そうしたリプレイス可能労働力(フリーター・派遣)でしょう。