2:6:2の法則

「2:6:2の法則」の項にて主張されている仮説を社会学的に検討した研究として、
「出世」のメカニズム―「ジフ構造」で読む競争社会』が挙げられる。

本書の主張を端的に表す言葉は、「出る杭は打たれる、出ない杭は腐る、出過ぎた杭は打たれない」。

初期状態が結果に大きな影響を及ぼす系として知られているのが複雑系であるが、その原理を社会内における競争に適用してこうした法則を導いているのは興味深い。例えば、T大卒のA君と某大卒のB君の能力が真に等しかったとしても、A君はT大卒だからという理由で本社の花形部署に配置され、B君は普通の部署に配置されるということは十分に考えられる。そうした初期条件における少々の有利さが、ポジティブにポジティブにフィードバックされていく結果、能力が等しいはずの二人の間に決定的な差がついてしまう。

あなたはどの杭になりたいですか?