"Quantitative Models in Marketing Research"

マーケティングで用いられる計量モデルに関する概説書。

扱うトピックは広範に及ぶ。まず、OLSによる連続データの回帰を扱い基礎を固めた後、二項Logit/Probit、多項Logit/Probit,順序Logit/Probitというマーケティングにおいて本質的に重要である離散データの解析へと進む。さらにTorbitを扱った後、サバイバル分析で締める。

各モデルには一章が割かれており、モデルの解説→推定方法の解説→実際のマーケティング・データを用いた解析例という風によどみなく進んでいく。また、各章末にはその章で用いたモデルを推定するためのEviewsコードが付属する。

特筆すべきはデータセット(しかもパネルデータ)が公開されていること。そのため、わたし自身は上のモデルをnon-informative priorを用いたベイズ的なモデルに変えて、結果をreplicate出来るか、という歪んだ使い方をしたりもした。

日本語でかかれた解説がまだ少ない分野だけに、利用価値は高いと思われる一冊である。