会社の寿命は30年?

「会社の寿命は30年」説が経営学の文脈ではまことしやかにささやかれているようですが、それをイベント・ヒストリー分析(生存時間分析)を用いて実証分析したのが清水剛『合併行動と企業の寿命』です。

サバイバル分析(生存時間分析)が経済学の文脈で用いられるようになったのはごく最近のことです(昨年度の日本統計学チュートリアルセミナーの内容を参照:http://www.jss.gr.jp/ja/tutorial.html
。それゆえ用いられている手法は決して高度とは言えません。

しかしながら、この著作の優れたところはその着眼点の良さにあるのでしょう。そして、それは十分評価に値するものだと思います。

企業はなぜ合併するのか? 企業合併の分析において「企業の寿命」という新たな視点を導入し、合併に企業の寿命の延長効果のあることを理論的・実証的に解明。さらに企業の寿命をイベント・ヒストリー分析により考察。