組織戦略の考え方

再読。かの有名な君主論には、軍隊には自国軍・傭兵軍・援軍そして混成軍があると書かれている。その中でもっとも力になるのは、もちろん自国軍である。フランス革命とそれに引き続くナポレオン戦争の例を引くまでも無くこのことはあきらかである。
現在の日本では労働力の傭兵化が進行しつつあるように思われる。しかしながら、自国軍たるコア人材の確保なくしては企業は立ち行かない。コア人材を見つけ早期に育成することは極めて重要である。それと同時に、コア人材を補佐し支える信頼できる中間層を如何に確保するか、という問題にも我々は取り組まねばならない。
そもそも自国軍が自国軍たりうるのは、その国家と命運を共にするからである。では、彼らが国家と命運を共にすることを潔しとしなくなってくれば、もはや自国軍は傭兵の群れとなんらかわりない。今の日本企業の状況を考えてみよう。自分の会社と生涯を共にするのだと断言できる人がどれだけいるだろうか。
会社にとって傭兵的存在は確かに必要である。しかし、傭兵だけでは絶望的にだめなのである。まず、兵がいて兵を束ねられる将がいなければ軍は軍たりえない。さらに、鋼の結束力を持って脅威を退けるのは、いつも自国兵である。傭兵部隊は敵を目の前に一目散に逃げ帰るだろう。スペシャリスト集団としての傭兵部隊と金で雇われているだけという意味を持つ「傭兵部隊」との意味の混同に気を付けねばならないが、上のような理由から、自国兵の傭兵化は多くの企業にとって由々しき事態である。
自国兵が会社に誇りを持てなくなったとき、自分がきちんと処遇されていないと感じたとき、自国兵は傭兵となる。ましてや、出世コースと非出世コースが峻別された日には(→参照)。ならば、自国兵の傭兵化は如何にして防ぐ事ができるのだろうか?
ここで我々が直面するのは、昇進と賃金、以外の処遇の仕方が事実上存在しない、という事実である。では、どうすればよいのだろうか?
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