自治会の話。

基本方針としては、http://d.hatena.ne.jp/yukatti/20040616#p3のような形になるのであれば、賛成したいところです。

キーワード論争が起こるたびに、誰かが「コメント求む:キーワードせっかく」のような議論の集約→アーカイブ化をしてくれるのであれば、それははてなにとって大きな財産となることでしょう。

自治会、というよりは、むしろ「はてな(黒)歴史編纂委員会」、をわたしは期待しています。また、助っ人召喚機能は、「教えてはてなダイアリー」に任せてしまったほうが、すっきりしてわかりやすいと思います。


本件の発起人が「はてな自治会」により何を提供したいのか、ということをわたしなりにまとめてみますと、次のようなものに集約されるかと思います。

  1. 「キーワード」関係で困ったときに、知識のある助っ人を召喚したい。調停・仲裁に協力してほしい。→「教えてはてなダイアリー」のキーワード限定版?
  2. 一つの議論に関するドキュメントを一箇所にまとめたい。ゆくゆくはアーカイブ化して後の人の役に立てたい。→「コメント求む:XXXX」の活用で対処可能
  3. 評議会に持ち込む前の議論の場がほしい。→「コメント求む:XXXX」の活用で対処可能

既にhttp://d.hatena.ne.jp/alcus/20040616#p2で指摘されたとおり、発起人の意図したものは大部分が既に試みられてきたもののように見受けられます。

それゆえ、わざわざ誤解を招くような名称を持ったキーワードでその機能を再編成する意味は薄いと思われます。「自治会」という言葉に要らぬ妄想を掻きたてる人が出てくることを考慮すると、意味は薄い、どころか、害悪ですらある、といえます。

はてなダイアリークラブ」という名称ですら、「クラブ員が特権を与えられている。けしからん!」という誤解が生じうるのです(ttp://d.hatena.ne.jp/hmori/20031229#1072738530)。「はてな自治会」などという名前を与えようものなら、更なる誤解を招くに違いありません。自治会なる実体は存在しない(=発起人の構想によれば、教えてはてなダイアリーのようにボランタリーベースゆえ特権的「自治会員」は存在し得ない)のだとすれば、なおさら、そうした名称を用いることの弊害は大きくなることでしょう。

とはいえ、議論の集約化・アーカイブ化といった理念はわたし自身が実行してきたこと(「コメント求む:キーワードせっかく」)とも合致しますので、そうした部分だけを取り出すのであれば、協力していけるかもしれません。

そうした際に、要らぬ妄想を起こさせないためには、「コメント求む:XXXX」「お題:XXXX」のように、ユーザ間の上下関係が存在しないことがはっきり分かるような身も蓋もないキーワードをあえて用いることが肝要でありましょう。

ルール上妥当と判断されたキーワードは削除されえないのか?

歴史を振り返ると、このことに関する答えは「否」です。

ルール上妥当と判断されたキーワードが削除予定にまわされた例としてよく知られているのは、

などがあります。

誤爆するキーワードは作成できない、というルールは存在しません。それはモデレーション実装前でもそうでした。それゆえ、誤爆しやすいキーワードをルールに従って作成することは可能だったわけです。しかしながら、モデレーションシステムがない状態でそうしたことをすると、誤爆の被害ははてな全体に広がってしまいます。そうしたことから、誤爆するものは削除にまわす」という慣習が発達してきました。もちろん、これはルールに基かない削除行為です。この慣習は公共の利益になることが分かりやすいことから、広く受け入れられるにいたりました。(とはいえ、キーワードモデレーションシステムの実装を持ってこの慣習は役割を終えたといってよいでしょう。)

誤爆するものは削除にまわす」という慣習と同じくらい広く信じられていることに、

  • 「過度に一般的な名詞は登録すべきでない」

というものがあります。何をもって「過度に一般的」とみなすかは意見が分かれるところですが、

のコメント欄で行われた議論は一読に値するものと思います。

キーワードモデレーションシステムの実装に伴い、キーワードの「名詞縛り」ルールが撤廃されました。こうして我々は副詞・形容詞・形容動詞・動詞などを登録できるようになったわけですが、先ほどの考えを拡張したものとして、

  • 「過度に一般的な副詞・形容詞・形容動詞などは登録すべきでない」

という意見は根強く存在します。

旧来のシステム下ではこうした意見を支える裏づけとして、「地の文にキーワードリンクが発生すると読みづらい」というものがありました。確かに現時点においてキーワード説明文のスコア閾値は0であり、そうした状況がすべての日記で起こっていたとすれば憂うべき事態だったかもしれません。しかしながら、こうした主張はモデレーションシステムの実装により根拠を失いました。

もう一つの裏づけとしては、「捕捉されたくない」というものがあります。形容詞・形容動詞・動詞などで捕捉されることを好まない人たちは、ダイアリーの中に一定数存在します。そうした人たちが形容詞・形容動詞・副詞などのキーワード削除を望むのは無理からぬことです。
そして、こうした捕捉懸念による削除行為に対し「モデレーションシステムがあるから大丈夫!」と答えるのは実は答えになってないのです。

形容詞などをキーワード化することが解禁されたのはごく最近のことです。こうした領域での慣習は未だ未形成であります。ただ、一つ予測されるのは、

  • 過度に一般的な普通名詞をキーワード化することが嫌われる(『 『意味なんてキーワード、「無意味」でしょ、普通考えたら。勝手にやっておくんなまし。ランク制度ができて誤爆排除できるからいいや。』 )

ように

  • 過度に一般的な副詞・形容詞・形容動詞・動詞をキーワード化することが嫌われる

のも間違いないであろう、ということです。

試行錯誤により快適な慣習が形成されることを期待します。