『銀盤カレイドスコープ vol.3』(参考リンク:http://bm.ishinao.net/detail.html/4086301679)

銀盤カレイドスコープ」をキーワード化したのはずいぶん前だった気がします。その銀盤カレイドスコープの続刊が刊行されたようです。

フィギュアスケートを題材にした数少ない小説のうちのひとつで、主人公の成長に主軸があるところを見ると(挿絵とは裏腹に)「スポ根もの」と解釈できなくもない作品です。

特筆すべき点は、フィギュアスケートという視覚が重要な競技を、文字だけで描ききっているところにあります。

実は、vol.1とvol.2で完膚なきまでにストーリーが完結していると思っていたので、続刊は意外でした。例えていうなれば、前作は「ドラえもんのび太くん」のお話だったのに、今回は「のび太くん」のお話になってます。大まかな感じとしては、「ドラえもん」がいなくなった後に「のび太くん」がどう成長していくか、という話でしょうか。

いろいろな意味で前作と好対照をなす作りになっており、建て増しのわりにしっかりとした話が出来てたと思います。

スピード感ある文体とフィギュアスケートの場面の描写は相変わらずお見事です。着実に前作よりも(作者が)巧くなっているのが傍目にもわかります。

もしかすると、今作はvol.4にて女帝リアと頂上対決を描く前のインターミッション的なお話なのかもしれませんね。

次回作も期待しています*1

参考リンク:http://maijar.org/ginban.htm

*1:http://d.hatena.ne.jp/INN/20040123#p2によると、なんだか作者さんも感想リンク集でご覧になってるっぽいですね。