「ゆびさきミルクティー」:トレース。

トレースの件については、本誌連載中の12話*1に強い影響を受けたものです。

ちょっと、ゲーム理論の話をしましょう。古典的なゲーム理論では、相手の反応を読みあうことがポイントになります。

1つの市場が二つの企業(A,B)によって支配されている、とします。Aを自分だとしましょう。市場価格は2人の総生産量によって変動します。よって、企業Aの利潤は、

(利潤)=(市場価格)×(Aの生産量)-C(Aの生産量)

という形にかけます。ここでC(・)は生産にかかったコストを表す関数です。市場価格は、「Bの生産量を所与とした場合」、企業Aの生産量の関数としてかけますので、上の式の最適解を求める事が出来ます。つまり、あるBの生産量に対するAの最適生産量が求められるのです。

この最適反応の組み合わせを表す関数を「最適反応関数」といいます。これは、

(自分の最適行動)=f(相手の行動)

という関係を表しています。

今、何かの偶然で、相手の最適行動関数が分かってしまったとしましょう。そうすると、我々は自分の行動を通じて相手の行動を間接的にコントロールできるということになります。

もちろん、相手の最適行動関数が分かる事など現実にはまずありえないのですが。また、仮にわかったとしても現実問題向こうも同じことをしてるわけで、まんまと上手くいくことのほうがありえないです。

回りくどい言い方になってますが、ユキは亘の最適反応関数を極めてよく近似できる*2わけで、それを悪用してるのかな、と。

id:sayukさんの話をこの概念を用いて話すと、「ひだり・みなもの最適反応関数を近似する手段としての女装は有効ではない、それどころか誤りだ。」という感じでしょうか。

*1:現時点での最新号

*2:男だから。